3DCG屋さんの活動記録

PROFILE ★★こんな人です

3DCGを活用した映像や没入体験コンテンツの制作をしています。テクノロジーの社会実装に興味があり。テクニカルディレクター。面白いこと新しいことにワクワクする気持ちに『素直』でいつづける。

2025年8月16日土曜日

QLabで“超”シンプル・ポン出し!— 5分で組んだ最小構成のメモ


 


「Resolume / TouchDesigner / GrandVJ / Unityでプレイヤー作る…?」と一週間ぐるぐるした末、QLabに着地。

結果、5分で欲しかった運用が完成しました。壁面演出や小規模イベントの“確実に出したいだけ”用途にぴったり。


つくった運用(5分)

  • 数字キー 1〜7 で7本の動画をポン出し

  • 再生が終わったら黒画面(勝手に次へ進まない)

  • 1本だけは「15秒動画ループ+5分BGMループ」を同時再生(いつでも止められる)

  • 「0」キーでフェードアウト&全停止(全キューを5秒で静かに落とす)


スクショ(配置の目安)

  • 図1:メインのキューリスト(一覧) — Main Cue List



  • 図2:動画キューのホットキー設定(1〜7を割り当て)



  • 図3:フェード&停止キュー(Stop target when done にチェック)



  • 図4:「0」キーでFade & stop all(5秒)するコメント・キュー



  • 図5:外部出力は設定 → Videoでサクッと指定




手順メモ(最短ルート)

1) 外部出力(プロジェクター/外部ディスプレイ)の指定

  1. メニュー Workspace Settings → Video を開く

  2. Video output for all cues に出力先ディスプレイを指定(図5)

    • 無料状態でも外部1系統への出力はOK(多画面や幾何補正は有料のVideo機能が必要)。(QLab)

複数HDMI端子があるMacなら、(専用のビデオウォール機器がなくても)Videoライセンスでマルチ出力・マッピングまで一気通貫できます。設定は Video → Output Routing / Stages の順で。(QLab)


2) 7本の動画を“数字キーでポン出し”

  1. Video Cue を7つ作成し、各ファイルを割り当て

  2. それぞれのキューを選び Inspector → Triggers → Hotkey Trigger にチェック

  3. キーを 1〜7 に割り当て(図2)

  4. 自動で次に進めたくない場合は、Auto-continue を使わない運用に(手動発火のみ)

再生が止まるとステージの下地が黒になります(Fill/Stage設定や出力スケーリングは用途に合わせて)。(QLab)


3) 「15秒動画ループ+5分BGMループ」を同時再生

  1. Group Cue を作成し、Mode: Start all children simultaneously

  2. 子に

    • Video Cue(15秒のループ:Playback で Loop をON)

    • Audio Cue(5分BGMのループ:同じく Loop をON)

  3. 必要ならFade Cueを同グループに足して、まとめて音量・映像のフェードアウトStop target when done(図3)


4) 「0」キーで“静かに全停止”

  • Comment Cue を1つ作成し、Triggers → Hotkey = 0

  • 同じパネルで When starting the action of this cue → Fade & stop → all → over time: 5.0s を指定(図4)

Panic(全停止)よりも“静かに落としたい”現場では、この Comment + Fade & stop all が安心。


ライセンスの話(超要点だけ)

  • 無料で使い始められる(Audio/Video/Lightingの基本は触れるが、Videoの多画面出力ワーピング/ブレンディングなど高度機能は有料のVideoが必要)。(QLab)

  • 日単位レンタルがあり、使った分がストアクレジット(= 実質“レンタル費の貯金”)として永久ライセンス購入に充当できます。いわゆるRent-to-own。(QLab)

  • ライセンスは同一アカウントで2台までインストール可(本番機+バックアップなど)。(QLab)

価格はショップで機能を選ぶと表示されます。レンタル料金は機能ごとに設定され、地域・税制でも前後するため、購入時にQLab公式ストアでの確認を。(QLab)


使ってみての所感(最小構成に最適)

  • 外部出力の指定が早い → 構成がシンプルならビデオスイッチャー不要でいける

  • ホットキー運用が堅い → “GOで出して、0で落とす”が現場の最小要件を満たす

  • ループ×同時再生 → BGMとループ映像をグループ1個でまとめられる

今回は WXGA(1,280×800)実機で検証。4K一画面のプレイバックも、Macとコーデック設計次第で現実的。多画面4K幾何補正を使うなら素直にVideoライセンスで。


クイックレシピ(コピペ用)

  1. Stage/Route を作成 → 出力先を指定(Settings → Video

  2. Video Cue ×7 を用意 → Triggers1〜7 を割り当て

  3. Group Cue(Start all children at once)に

    • 15秒Video(Loop)

    • 5分Audio(Loop)

    • Fade Cue(Stop target when done)

  4. Comment Cue を作り Hotkey=0Fade & stop all(5s)


おまけ:なぜQLabにしたか

当初は Resolume / TouchDesigner / GrandVJ / Unity で自作プレイヤーも検討。でも「手が覚えてる現場運用」に一番早く着地でき、レンタルで始めて必要なら買い切りに移行できるQLabが、**“まずは回す”**には最短でした(壁面演出の現場でも引き続き使う予定)。


参考(公式ドキュメント)

  • Rent-to-own / ストアクレジット2台インストールなどのFAQ。

  • 無料状態のビデオ出力の考え方(外部1系統)

  • Video出力・ルーティング/ステージ設定の基礎。

  • Fill/Fit/Stretch の表示挙動。


必要なら、この記事を社内Wiki向けに短縮版チェックリスト化もできます。欲しい版式あれば言ってください!

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